横山輝明です。神奈川県大磯在住の行政書士です。
親が亡くなったあと、多くの方が最初にぶつかる壁のひとつが「銀行口座の手続き」です。
「口座が凍結される前に引き出せないの?」「どの銀行にも手続きが必要なの?」「何を持っていけばいいの?」——そんな疑問をよく聞きます。
この記事では、銀行口座の相続手続きをわかりやすく解説します。
親が亡くなった後の銀行手続きは、金融機関によって微妙に違います。早めに動くことで、手続きがスムーズになります。
📋 この記事でわかること
- 銀行口座が凍結されるタイミング
- 相続手続きに必要な書類
- 手続きの流れ(ステップ別)
- 複数の銀行がある場合の対処法
- 行政書士に頼むとどう楽になるか
銀行口座はいつ凍結される?
「死亡届を出したら自動的に凍結される」と思っている方が多いですが、これは正確ではありません。
銀行口座が凍結されるのは、銀行が名義人の死亡を知ったときです。死亡届の情報が銀行に自動的に伝わるわけではありません。
ただし、銀行が死亡を把握するきっかけはさまざまです。家族からの連絡、新聞のお悔やみ欄、ネットバンキングの異常検知など。銀行が把握した時点で口座は凍結されます。
🕊 あおばとチェック!
口座凍結前であっても、相続人全員の同意なく預金を引き出すと、後日トラブルになる可能性があります。葬儀費用等が必要な場合は、金融機関の相続手続きや預貯金の仮払い制度の利用を検討しましょう。
相続手続きに必要な書類
銀行によって多少異なりますが、一般的に必要な書類はこちらです。
① 被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本
出生から死亡まですべての戸籍が必要です。複数の市区町村にまたがることが多く、収集に時間がかかります。
② 相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書
相続人が確定していることを証明するために必要です。印鑑証明書は発行から3か月以内のものを求められることが多いです。
③ 遺産分割協議書(または遺言書)
誰がその口座を相続するかを明確にした書類です。相続人全員の署名・実印が必要です。
④ 通帳・キャッシュカード
口座番号・支店名の確認のために必要です。見当たらない場合は銀行に問い合わせて残高証明書を取得することもできます。
⑤ 銀行所定の相続届出書
各銀行独自の書類です。窓口でもらうか、ホームページからダウンロードできる場合もあります。
手続きの流れ(ステップ別)
STEP 1|銀行に死亡を連絡する
取引銀行の窓口または電話で死亡の事実を伝えます。この時点で口座が凍結されます。同時に必要書類の案内を受けます。
STEP 2|戸籍を収集する
被相続人の出生から死亡までの戸籍を取り寄せます。本籍地の市区町村役場に請求します。郵送でも取得できます。
STEP 3|相続人で話し合い、遺産分割協議書を作成する
誰がどの財産を相続するかを相続人全員で決めます。合意した内容を遺産分割協議書にまとめ、全員が署名・捺印します。
STEP 4|銀行に書類を提出する
必要書類をそろえて窓口に提出します。銀行による審査後、預金が払い戻されます。審査期間は金融機関や書類の内容によって異なります。
完了|払い戻し・口座解約
相続人の口座へ振り込まれます。通帳・カードは返却または破棄します。
複数の銀行がある場合
親が複数の銀行口座を持っていた場合、それぞれの銀行ごとに手続きが必要です。
戸籍謄本など共通の書類は原本が必要なケースと、コピーで対応できるケースがあります。銀行によって異なるため、事前に確認しておくと何度も取り直さずに済みます。
複数口座がある場合の注意点
- 銀行ごとに必要書類が微妙に異なる
- 遺産分割協議書は各銀行に原本を求められることがある
- 法定相続情報証明制度を使うと戸籍の束を何度も用意しなくて済む
- ゆうちょ銀行は手続きが他と異なるため別途確認が必要
🕊 あおばとチェック!
法定相続情報一覧図の写しは、預金の払戻し手続などで利用できます。ただし、利用できるかは提出先の金融機関に確認しましょう。行政書士が代わりに取得することもできます。なお、相続人間で争いがある場合や、相続登記・相続税申告・家庭裁判所の手続きが必要な場合は、弁護士・司法書士・税理士等との連携が必要になることがあります。

